配送・設置工事でAIコールセンターが効く理由
- 不在の多くは「知らなかった」から起きる — 国土交通省の消費者アンケート(令和5年度)では、再配達になった理由の約2割が「配達に来ることを知らなかった」、約6割が「事前に通知があれば予定を変えた」と回答しています
- 確認電話は件数より「かけ直し」が重い — 知らない番号からの電話に出ない人は87.8%(フォレスタ、2024年調査)。1回でつながらない前提で、時間帯を変えて何度もかける作業が積み上がります
- 聞くことが決まっている — 在宅の可否、希望の時間帯、置き配の可否。質問が2〜3問に絞れる電話は、AIが最も安定して扱える領域です
- 当社の運用実績がある — 設置工事の株式会社宝宮設備様は設置日確認の架電と受電をAIに切り替え、受電の約9割をAIが完結。配送の株式会社ZAP様はドライバーが手でかけていた配達日調整の電話をAI架電へ移行しています
配送・設置工事の電話、実際は何が鳴っているか
配送・設置工事の電話は、こちらからかける「前日・当日の確認」と、お客様からかかってくる「折り返し・変更・問い合わせ」の2系統に分かれます。前者は件数と時間帯が読める一方でかけ直しが多く、後者は時間を選ばずに鳴ります。AIコールセンターは架電と受電の両方を同じ仕組みで扱えるため、2系統をまとめて設計できます。仕組みの全体像はAIコールセンター完全ガイドに、受電側の基本はAI電話対応とはにまとめています。
確認電話が現場の時間を奪う理由
確認電話そのものは、1件あたり30秒から1分で終わる短い電話です。それでも現場の負担になるのは、件数ではなく「つながるまでの往復」に時間が消えるからです。
- 日中はつながらない — お客様が勤めに出ている時間帯は出てもらえず、夕方以降にかけ直すことになります。当社の運用では、前日の夕方から夜(17時〜20時)か当日の朝(8時〜10時)に回答を得やすい傾向があります(配送会社・設置工事会社での運用にもとづく目安で、業種や地域で変わります)
- かける人の手が止まる — ドライバーが朝の積み込み後に30件へかけると、1件1分でも30分、つながらない分の再コールを含めると1時間近くになります。事務担当がかける場合も、夕方の架電時間が退勤時刻と重なります
- 空振りのコストが大きい — 配達なら持ち戻って翌日に回せますが、エアコンや給湯器の設置工事は、作業員と車両の1枠が丸ごと空き、その日の穴埋めはほぼできません
宝宮設備様では、エアコンの設置日をご確認いただくための架電が多い日で1日10件あり、日中お仕事をされているお客様には何度もかけ直すことになっていました。受電側でも設置後のフォローの入電が1日20〜50件あり、担当者は10時〜17時のあいだ電話に張り付き、その間は他の事務作業が止まっていました(導入事例)。
知らない番号からの着信に出ない人は87.8%(フォレスタ、2024年、n=500)です。確認電話は「出てもらえない前提」で設計する必要があります。1回で諦めず生活時間帯の違う2〜3回に分けてかけ、それでも出なければ留守番電話とSMSで用件を残す、という組み立てが基本になります。電気工事の現場では、工事日の確認をSMSに切り替えて関連する業務量が約3分の1になったという事例も公開されています(NTTタウンページの公開事例)。
AIに任せる範囲・任せない範囲
かけ直しの往復をAIが引き受け、担当者は「調整」だけに時間を使う分担。
確認電話を自動化するときの線引きは、「答えが決まっている聞き取り」はAI、「判断や謝罪が要るもの」は人です。
- AIに任せる — 前日・当日の在宅確認、置き配の可否、希望の時間帯の聞き取り、訪問日時の再確認、駐車場所の確認、不在時の再コールと留守電、折り返し電話の一次受け、使い方など定型の質問への回答、結果の記録と通知
- 人が行う — 日程変更の確定(配車・工事枠の調整)、破損や不具合への対応、クレームへの謝罪と説明、見積もりや追加工事の判断、事故・緊急時の対応
会話の設計で守ることは4つです。冒頭の一文で社名と用件を名乗ること(「明日お届け予定のお荷物の件でお電話しました」)、質問を2〜3問に絞ること、回答を復唱してから終話すること、そして「今後の電話は不要」と言われた番号は対象から外すことです。名乗らない、用件が分からない、長い、断っても止まらない電話は迷惑と受け取られやすく、21時以降や早朝の架電も避けます。
日程変更の希望が出た場合も、AIはその場で確定させず、希望日時を聞き取って担当者へ通知する運用を推奨しています。配車や工事枠の空きを見て確定の連絡をするのは人の仕事です。AIが入口を担うことで、担当者は「かけ直し」ではなく「調整」だけに時間を使えます。
当社の導入事例:設置工事と配送
株式会社宝宮設備様(エアコン工事・給湯器交換・電気工事)
神奈川県内と東京23区でエアコン工事や給湯器交換を手がける宝宮設備様は、設置日確認の架電と、設置後フォローの受電の両方をAIに任せています。
- 受電は1日20〜50件。そのうち約9割をAIが用件のヒアリングから案内まで完結し、緊急性が高いものや判断が必要な約1割だけを担当者へ取り次いでいます
- 架電は多い日で1日10件。つながらない場合は留守番電話にメッセージを残すところまで自動化し、かけ直しの往復をなくしました
- 聞き取った内容はLINE WORKSへ自動通知され、録音と全文テキストが残るため、電話を取らなくても状況が見える運用になっています
- 導入から約1週間で任せられる応対精度に到達し、削減できた工数は数百時間規模です
詳しい経緯は宝宮設備様の導入事例に掲載しています。
株式会社ZAP様(配送、大阪・埼玉の2拠点)
配送会社のZAP様では、これまでドライバーが手動で行っていた配達日調整の電話をAI架電へ移行しました。AIが配達日を案内し、都合が悪ければ置き配を提案、置き配も難しければ希望日を最大3つ聞き取って、結果をChatworkにリアルタイム通知します。不在のお客様には留守番電話を残して時間を変えて自動で再架電し、折り返しの電話は受電AIが一次対応するため、配達中のドライバーが電話に出る必要がなくなりました。2026年9月に大阪拠点で先行して運用を開始し、埼玉拠点へ広げています。
- 配達日に関する電話対応の約8割を削減し、ドライバーは配達に集中
- AIは日程を確約せず、希望日の聞き取りまでを担当。確定は担当者が配車を見て行う
- 架電と受電が同じ窓口でつながり、折り返しがドライバーの携帯に入らない
詳しい経緯はZAP様の導入事例に掲載しています。
2社に共通するのは、聞く項目を固定し、結果を現場が普段使っているチャットに流す設計です。配送と設置工事で業態は違いますが、「前日に確認し、変更希望だけを人が拾う」という構造は同じです。
確認電話の応対音声を、実際に聞いてみませんか配送・設置工事向けの前日確認のデモ音声と、留守電・SMSの文面サンプルをお送りします。
資料をダウンロード
連携:通知・CRM・SMS・架電
- 架電リストの取り込み — 氏名・電話番号・配達予定日(訪問日)・時間帯・荷物や工事内容を1行にしたCSVがあれば取り込めます。1件から数万件まで同じ時間内に一斉に架電できます
- チャットへの通知 — 聞き取った結果を、LINE WORKS・Slack・Chatwork・メールなど現場で使っているツールへ整形して通知します。「日程変更希望:午後」「駐車:敷地内1台可」のように、担当者がそのまま動ける形で届きます
- SMSの送信 — 留守電と組み合わせて、訪問予定と折り返し先をSMSで残せます。電話に出なかったお客様にも用件が届きます
- CRM・基幹システムへの記録 — 通話ごとの結果がラベル(在宅・不在・変更希望・置き配可など)で残り、録音と全文テキストもあわせて保存されます。週次で「接続率」「変更希望の件数」などを集計できます
- 折り返しの受電 — 着信を見て折り返してきたお客様には、受電AIが一次対応します。架電と受電が同じ窓口でつながるため、「誰の何の件か」を特定したうえで話を始められます
受電だけでなく架電も含めて自動化している事例は、公表されている事例のなかでも多くありません。受電側の設計についてはコールセンター無人化の現実解で、人に残す電話の考え方を整理しています。
費用の考え方
確認電話の費用は、月間の架電件数と平均通話時間から、通話料込みの1コール単価に換算して比べるのが分かりやすい方法です。SMSを併用する場合は送信料も含めます。
- 人がかける場合 — コールセンタースタッフの募集時平均時給は1,484円(リクルート、2026年2月度・三大都市圏)で、月160時間なら1人あたり月額約24万円が目安です。確認電話は夕方に集中するため人を張り付けにくく、繁忙期だけ増員することもできません
- AIがかける場合 — 月額基本料と通話量に応じた従量の構成で、席数課金ではありません。件数が増えても1件あたりの単価が上がりにくく、繁忙期の一斉架電ほど差が出ます
- 効果の見積もり — 持ち戻りや空振り訪問1件あたりのコスト(ドライバー・作業員の時間、燃料)に、減らせた件数を掛けると、投資対効果を月次で追えます
相場の全体像はAIコールセンターの費用相場に、サービスごとの機能と料金の違いはAIコールセンター比較にまとめています。
導入の進め方(配送・設置工事の場合)
- いまの確認電話を1週間分数える
架電件数、1回でつながった割合、かけ直しの回数、折り返しの受電件数を数えます。手作業の負担がどこに集中しているかが分かります。
- 架電リストの形式を決める
氏名・電話番号・配達予定日(訪問日)・時間帯・荷物や工事内容をCSVにまとめます。運用中の2社もこの形式です。
- トークと留守電の文面を決める
名乗りの社名、聞く項目(在宅可否・置き配可否・希望時間帯)、不在時に留守番電話へ残す文面を決めます。商品や工事の種類ごとに言い回しを分けることもできます。
- 1拠点・1エリアで始める
テスト架電で会話を確認したうえで、まず1拠点で本番運用に入ります。標準的には1〜2週間で開始でき、結果を見て他の拠点へ広げます。
近い業務として、通販の「荷物はいつ届くのか」という問い合わせを減らす方法はWISMO対策のページに、住まいの設備トラブルの受け方は賃貸管理会社のAIコールセンターにまとめています。
よくある質問(配送・設置工事)
配達前の確認電話をAIがかけると、お客様に失礼になりませんか?
冒頭で社名と用件を短く名乗り、聞くことを在宅の可否と置き配の可否・希望の時間帯に絞れば、通話は30秒程度で終わります。国土交通省の消費者アンケートでは、事前に通知があれば予定を変えたという回答が約6割あり、受け取る側にとっても有益な連絡です。「今後の電話は不要」と言われた番号は対象から外し、21時以降や早朝の架電は避けます。
電話に出なかったお客様にはどうしますか?
1回目に出なければ、生活時間帯の異なる時間に自動で再コールします。それでもつながらない場合は、留守番電話に訪問予定と折り返し先を残し、必要に応じてSMSも送ります。「前日17時に一斉架電、不在は19時に再コール、20時までに不通なら留守電とSMS」のように締め切り時刻を決めておくと、担当者が夜まで電話に縛られずに済みます。
日程変更を頼まれた場合、AIがその場で確定させますか?
希望の日時を聞き取って記録し、担当者へ通知する運用を推奨しています。配車や工事枠の空きを見て確定の連絡をするのは人の役割です。AIが入口の聞き取りと記録を担うことで、担当者はかけ直しではなく調整だけに時間を使えます。
導入までに何を準備すればよく、どのくらいで始められますか?
準備するのは、氏名・電話番号・配達予定日(訪問日)・時間帯・荷物や工事内容を1行にした架電リストのCSVと、名乗り・聞く項目・留守電の文面の2つです。テスト架電で会話を確認したうえで、標準的には1〜2週間で本番運用に入れます。宝宮設備様は導入から約1週間で任せられる応対精度に到達しています。
聞き取った結果は、どうやって現場に届きますか?
LINE WORKS・Slack・Chatwork・メールなど、現在お使いのツールへ整形して自動通知します。宝宮設備様はLINE WORKS、ZAP様はChatworkで結果を受け取っています。通話ごとに録音と全文テキスト、結果のラベルが残るため、「言った言わない」の確認にも使えます。
件数が少ない会社でも効果はありますか?
件数が少なくても、かけ直しが多い業務なら効果が出ます。宝宮設備様の架電は多い日で1日10件でしたが、日中につながらないお客様へのかけ直しと、設置後フォローの受電1日20〜50件を合わせて、削減できた工数は数百時間規模になりました。まずはいまの確認電話を1週間分数え、かけ直しにかかっている時間を把握するところから始めてください。
まず、確認電話のかけ直しに何時間使っているか数えるところから
自動化の効果は、架電件数よりもかけ直しと折り返しの量で決まります。直近1週間の確認電話を整理するところからご相談いただけます。実際の確認電話の応対音声も、デモでご確認ください。
再配達の理由に関する数値は国土交通省の消費者アンケート(令和5年度)、知らない番号の着信に関する数値はフォレスタの2024年調査(n=500)、工事日確認のSMS化の事例はNTTタウンページの公開事例、時給はリクルートの2026年2月度・三大都市圏の調査にもとづきます。宝宮設備様の数値は当社導入事例インタビュー(2026年7月27日公開)、ZAP様の数値は当社導入事例インタビュー(2026年9月25日公開)にもとづきます。当社(株式会社Rabona AI)はAIコールセンターの提供事業者です。